【旅人人生備忘録】Beach Boys
2011.1 @Langkawi
夕焼け色に染まったランカウイの海では
ジェットスキーに乗った若者のシルエットが美しく映えていた
勢いよくしぶきをあげながら
絶え間なく押し寄せる波と戯れる姿に
ただただ見とれるばかりであった
ランカウイ島のビーチを歩いていると
そこでパラセイリングやバナナボート、ジェットスキーなどの
ビーチスポーツを旅行客に提供している
現地のビーチボーイズ達と知り合いになりました。
彼らは特にしつこくサービスを押し付ける事も無く
「ここに座れ」と言ってビーチパラソルの陰に私を座らせてくれ
時折、目の前を通り過ぎる欧米人の観光客に対して
ゆるゆると仕事をこなしながら
暇な時間には私にマレー語を教えてくれました。
Friendly& Funny そんな印象の人たちでした。
その中に、私と同じ年の
パラセイリングボートのキャプテンがいました。
彼は、17歳の頃から12年間、
パラセイリングを引っ張るボートを運転して
生計を立ててきたのだという話でした。
ランカウイに滞在する最後の日
私はパラセイリングをひくボートに乗せてもらいました。
風の流れ、波の動き、パラシュートの位置を読みながら
微妙にスピードやコースを調整してはいるものの
12年間で彼は何周このコースを回ったのだろう?
そしてこれから何周このコースをぐるぐると回り続けるのだろう?
12年間、彼が見続けてきた世界の一部を垣間見させてもらいながら
ふとそんな疑問が頭をよぎりました。
今、同じボートに乗っている私と彼の過ごしてきた
29年間という同じだけの時間の全く異なる使い方に思いを馳せたとき
「人生」というものが誰にとっても唯一無二であるという当たり前のことに
ある種の不思議を感じたのでした。
夕暮れのランカウイのビーチにやってくる
たくさんの子供たちを見守る彼のまなざしは
ランカウイの海のように穏やかで優しく
この土地に生きることの豊かさを静かに物語っていました。
旅とは
同時並行的に進行しているいくつかの人生を時に交差させ
日常当たり前のように感じ過ごしてしまっている事を
改めて気付かせてくれる大切な刺激なのだと思います。
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