【屋久島】白谷雲水峡のガイドさんとの出会いから考える人生を豊かに生きる方法
コケについて七色に輝く雫を
「森のダイヤモンド」と呼ぶんだよ、
と、そのガイドさんは教えてくれました。
すると、コケにつく1つ1つの雫が、
まるで命を宿したかのように輝いて見えてきて
何気ない森歩きが突然宝探しになったような、
そんなワクワクした気持ちを抱えながら
私はとびっきり綺麗な
森のダイヤモンドを探そうと必死になってみたわけです。
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屋久島2日目もあいにくの雨でしたが
その日は白谷雲水峡というコケの美しく映えた森を
散策するツアーに参加しました。
自然の美しさは言うまでもないのですが、
何よりそこを案内してくれたガイドさんのことが印象に残っているので
今回はそのことをここに書き留めようと思います。
屋久島生まれ、屋久島育ちというそのガイドさんは
おそらく50代くらいの方だったのですが
一目会った瞬間から人の良さが伝わってくる
優しい雰囲気の持ち主でした。
小さい頃から屋久島の自然に親しんできたガイドさんは
自分の幼い頃の体験談も盛り込みながら、
屋久島の自然について色々なことを教えてくれました。
コケにはいろんな種類があること
やさしく撫でてあげるとそれぞれ触り心地がちがうということ
もうすぐ胞子嚢が弾けて胞子が飛び散るであろうこと
マムシ草ぐさという毒のある草のこと
アリドオシという小さな鋭い針をもつ植物のこと
ガイドさんの子供の頃の話を聞くと、
まるで自分のじいちゃんばあちゃんから昔話をきいた時のような
懐かしい気持ちにさせられるのでした。
そんな話の面白さもさることながら
私が一番印象的だったのは、ガイドさん自身が
白谷雲水峡の自然の美しさに心から感動していたことです。
「ほらー神秘的な景色になってきたねー」
「うーん、コケがきれいだねぇー」
「おー猿の群れがいるよー、会えて良かったねぇー」
ガイドさんは美しい景色の前でそっと足を止めては
長嶋茂雄風の口調でこう言うわけです。
誰が聞いても、そのガイドさんが心の底から感動していることが
伝わってくる偽りのないものの言い方で。
それを見て、私は思いました。
このガイドさんは、生まれてから今までずっと屋久島の自然を見てきて
今だって観光客と一緒に毎日のようにこの自然を見ているだろうに、
それでもこの自然に毎回心からこうやって感動してるんだぁ、、、って。
自然だって毎日同じではないのは頭ではわかるけれど
その変化はけっして劇的ではないわけで
そんな自然のわずかな変化や
あるいは偶然のタイミングが生み出した奇跡的な景色にいち早く気がつき
その景色に出会えたことの喜びと感動を人に伝えることができるこのガイドさんは
「本物だな」と思ったのです。
そして、感動というのは、こんなにもまっすぐに
人に伝わってくるものなんだということに改めて気付かされました。
それは私の仕事にとっても、とても重要な意義のある気付きでした。
私はいつも子供達と一緒にワクワクドキドキすることをしています。
子供たちにいかに感動を持ち帰ってもらえるか、それがとても大切な仕事です。
私はあのガイドさんのように、子供たちにしっかり感動を伝えられているのかな。
子供達の感動に寄り添ってあげられているのかな。
知っていること、見たことのあるもの
当たり前だと思っている景色の中に
どれだけ違う変化を見つけられるか
どれだけ違う感動を感じられるか
そんなちょっとした意識を持つだけで
人生を今よりもっと
豊かにできるように思えるのです。
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